London sunset cityscape with Tower Bridge

日本人に対するロンドンの不動産税

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税金について

二重課税の禁止=イギリスで支払った税金を重複して日本で支払う必要がないという制度です。(外国税額控除適用)

日本居住者で、イギリス国内での収入が他にない場合には、家賃純収入(家賃からコストを差し引いた純利益)に対してのみ所得税がかかります。

イギリスの所得税は下記の通りとなります。(2025年7月現在)

£0-£12,570 0%
£12,571- £50,270 20%
£50,271- £125,140 40%
£125,141 - 45%

日本では全世界所得に対して課税されます。(総合課税)

日本での収入に、イギリスにおける家賃純収入が加わり、課税対象となります。(累進課税)

外国税控除が適用されるため、イギリスで既に支払い済みの金額は控除されます。

日本の所得税(国税)は累進課税で、2025年7月現在下記の通りとなります。

課税所得 税率 控除額
〜195万円 5% 0円
〜330万円 10% 97,500円
〜695万円 20% 427,500円
〜900万円 23% 636,000円
〜1,800万円 33% 1,536,000円
〜4,000万円 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

住民税:課税所得の10%

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税金のシナリオ例

日本に居住する山田さんがロンドンの物件を購入した際に発生する税金についてのサンプルケースを提示いたします。

山田さん

日本居住、年収1000万円

物件購入価格 800,000ポンド
物件 1ベッドルームの新築物件・55平米(=592sqft)
弁護士費用 3000ポンド
家具費用 10,000ポンド
印紙税(Stamp Duty) 46,000ポンド
賃貸家賃収入 月額3100ポンド
賃貸契約期間 1年
エージェントフィー(賃貸+管理) 年間12%+VAT
契約書等書類手数料 390ポンド
クリーニング費用 250ポンド
インベントリーチェックイン 200ポンド
インベントリーチェックアウト 120ポンド
サービスチャージ(共益費) 年間4144ポンド(7ポンド/sqft)
メンテナンスコスト 年間1000ポンド

重要:あくまでも税金を理解する上での一例としての仕組み・概略のご案内になりますので、上記の数字は正確な金額や税金額とは異なります。実際の収入やコスト、税金・税率その他正確な情報は、各ケースで異なりますので、専門税理士からのアドバイスを頂くようお願いいたします。

イギリスで支払う税金

収入

家賃収入 £37,200 (3100 x 12)
収入合計 £37,200

コスト

エージェントフィー £5,356.80
契約書書類諸経費 £390
クリーニング £250
インベントリー £320
サービスチャージ £4,144
メンテナンス £1,000
コスト合計 £11,460.80

課税所得

£37,200 – £11,460.80 = £25,739.20

個人控除後

£25,739.2 - £12,570 = £13,169.20

イギリスの所得税(2025年7月現在)

£0-£12,570 0%
£12,571- £50,270 20%
£50,271- £125,140 40%
£125,141 - 45%

イギリスでの納税額

£13,169.20 x 20% = £2,633.84

重要:あくまでも税金を理解する上での一例としての仕組み・概略のご案内になりますので、上記の数字は正確な金額や税金額とは異なります。実際の収入やコスト、税金・税率その他正確な情報は、各ケースで異なりますので、専門税理士からのアドバイスを頂くようお願いいたします。

日本で支払う税金

原則:海外所得を含む総合課税・外国税額控除適用(上限=外国所得÷総所得 x 日本税額)

従って、日本での所得によって支払う税金が変わります。

ここでは1ポンド=195円と仮定します。

イギリスでの不動産からの課税所得 £37,200 – £11,340.80 = £25,739.20 → 約500万円

日本での収入:1000万円

合算課税対象額:1500万円

仮に実効税率(累進課税システムにおいて実際に支払う税金総額の課税所得に対する割合)を平均30%とします。給与所得控除やその他の基礎・社会保険料などを考慮した後の課税所得が650万円ほどと仮定します。

そこに海外不動産所得500万円が上乗せされるため、実際の課税所得は約1150万円となり、支払う税金増額分は210万円ほどになります。そこからイギリス支払い済み分の約50万円を引くと、約160万円程度の追加税負担となる計算になります。しかしながら、日本で支払う税額は日本での所得額によって影響されるため、純粋な海外不動産そのものから生じる税負担額だけを抽出したものではないという事を理解することが重要です。そのため、あくまで目安としての海外不動産所得500万円のみに対する日本での追加納税額は、500万円 x 30% - 50万円(イギリスで支払い済み)=約100万円となります。

重要:あくまでも税金を理解する上での一例としての仕組み・概略のご案内になりますので、上記の数字は正確な金額や税金額とは異なります。実際の収入やコスト、税金・税率その他正確な情報は、各ケースで異なりますので、専門税理士からのアドバイスを頂くようお願いいたします。

キャピタルゲインタックスとは

キャピタルゲイン税は、資産(例:投資用不動産、株式、暗号資産など)を売却して得た利益(売却額 − 購入額・費用)に対して課税される税金です。自宅(主たる居住用不動産)については、Private Residence Relief により通常課税対象外となります。セカンドハウス、賃貸物件、別荘などの居住用以外の不動産は対象となります。利益が年間に一定額以下であれば課税されず、それを超える部分が課税対象となります。

項目 内容(2025/26年度)
年間免税額(AEA) £3,000(個人)/£1,500(信託)
税率(基本税率層) 18%
税率(高額所得者層) 24%
報告期限(居住用不動産) 売却完了後 60日以内 にHMRCへ報告・納税
主な控除対象費用 購入費用、建築改善費、売却関連費用(法律・仲介)など

キャピタルゲインタックスの例:日本居住の山田さんが2025年に800Kポンドで物件を購入。このときの購入コストは弁護士費用3000ポンド、2025年時点でのSDLTでした。これを2035年に1.06mポンドで売却。売却時のエージェントフィーは2%で、弁護士費用が3000ポンド、内装の改善費用として3000ポンドがコストとしてかかりました。購入時から売却するまで、常に物件は賃貸されていたとして、この時山田さんが支払うキャピタルゲインタックスはいくらになるかを計算します。(2035年時点での税率が2025年と同じと仮定します)

売却によるキャピタルゲインの計算

売却価格:

  • £1,060,000(2035年)

購入価格:

  • £800,000(2025年)

購入時の諸経費:

  • 弁護士費用:£3,000
  • SDLT(Stamp Duty Land Tax):

【SDLTの推定(2025年の制度に基づく)】

非居住者(海外居住者)は+2%が加算される:

  • 最初の£125,000 x 2% = £2,500
  • 125,001 → £250,000 × 4% = £5,000
  • 次の£675,000(£250,001〜£925,000)→ £550,000 × 7% = £38,500
  • 最後の£(910,000−925,000) = £0 → この帯に該当なし

SDLT合計:約 £46,000

売却時の諸費用:

  • エージェントフィー:£1,060,000 × 2% = £21,200
  • 弁護士費用:£3,000
  • 改善費用(内装):£3,000
項目 金額(£)
購入価格 £800,000
SDLT £46,000
弁護士費用 (購入時&売却時) £3,000 + £3,000
売却時改善費用 £3,000
売却時手数料 £21,200
コスト合計 £876,200

キャピタルゲインの計算:

キャピタルゲイン = 売却価格−取得原価合計= £1,060,000−£876,200=£183,800

キャピタルゲインタックスの計算

  • 山田さんの属性:日本居住者(非UK居住)非居住者でも英国不動産に対するキャピタルゲインタックスは課税されます(2015年以降)
  • Private Residence Reliefは自身で居住していないため、申請不可となります。
  • 年間免税枠(Assumption: 2035年時点でも £3,000)※ 毎年の予算で変動しますが、ここでは一定として仮定します。
  • 課税対象利益 = £183,800−£3,000=£180,800
  • 税率(不動産資産に対する非居住者の場合):£37,700 まで18%(Basic Rate)、それ以上24% (Higer Rate = 高額所得)

税額

£37,700 x 18% = £6,786

(£180,800 - £37701)×24%=£34,343.76

合計税額=41,130ポンド 

山田さんが支払うキャピタルゲインタックス(概算)約 £41,130