オーナーとして自身で居住する場合でも、賃貸に出す場合でも、物件の管理は非常に重要になってきます。
特に、建物やマンションのルール(Building Regulation)やリース契約(Head Lease)を遵守しているかどうか、認められていない改装や変更を施していないか、設備使用方法は間違っていないか、といった点については、「知らなかった」では通用しないことも多く、ディベロッパーからの保証枠外、保険適用外のような事態になることもあるため、予め理解をしておくことが重要です。
また、賃貸に出す場合には、賃貸借契約に関する法的な義務や、契約上の義務を負うことになるため、物件を管理するにあたって、家主として一定の知識はもっておく必要があります。
多くのマンションにおいて、日本同様にマンション自体で定められている規約があります。マンションごとに規約は異なりますが、下記に比較的頻繁にみられる規約の例を提示します。特に新築・築浅マンションと、クラシックな古い建物ではそれぞれ異なるルールがありますので注意が必要です。
建物によっては、景観保護地域に指定されていたりすることから、フリーホルダーと呼ばれる地主・建物所有者や自治体の許可無く物件の外観に関わる改装(窓の変更や外壁の塗りなおしなど)が禁止されている物件があります。特に築が古いピリオドビルディングと呼ばれる建物でこうした規制があることがあります。
最近は減りましたが、下の階への音漏れや振動を防ぐため、一部の古い物件ではカーペットを敷くことが原則になっている建物があります。
築浅・築古に関わらず、多くのマンションやフラットでは、街路から見えるバルコニーや庭などで洗濯物を干すことが禁止されていることが多くなっています。
築浅・築古に関わらず、多くのマンションやフラットでは、玄関ドアの前に私物を置くことを禁止しています。例えば、靴や下駄箱、自転車やバギーなどを玄関ドアの外側に置くことは、防災上の規則の観点から禁止されていることが一般的です。全ての私物は室内にて保管することが求められます。
ペットを飼うことが禁止されている建物もありますので、ペットを飼う前に、必ず規約を確認する必要があります。
物件に付随する設備によっては、定期的な点検・メンテナンス・安全確認証明の取得が法的に義務付けられている場合があります。これらを怠ると、法律違反となるだけでなく、保険が適用されない・ディベロッパーの保証が無効になるといったリスクがあります。以下に代表的な例を挙げます。Benham & Reeves では、こうした安全点検確認作業は漏れなく代行させて頂いており、家主様が必要義務を怠ることのないよう必要なメンテナンス・サービシングをご手配しております。
近年、英国では火災安全に関する法規制が強化され、防火ドアの維持管理も重要視されています。特に各住戸の玄関ドアは「防火ドア」としての役割を持ち、火災時に煙や炎の拡散を防ぎ、避難時間を確保する大切な設備です。
イギリスの法律 Landlord and Tenant Act 1985 では、家主(オーナー)は賃貸物件について一定の修繕義務を負っています。これはテナントが安心・安全に生活できる環境を維持するための法的責任であり、主に以下の範囲を含みます。
1. 建物の構造と外部部分 屋根・外壁・排水管・雨どい・外部のパイプなど、建物の基本的な構造や外部に関わる部分の修繕・維持。
2. 設備・インフラ 水道・ガス・電気の供給システム、トイレや浴室・シンクなどの衛生設備、さらに給湯・暖房設備の維持・修理。
3. 安全性の確保 物件全体が安全に使用できるように保つことが求められます。特に電気設備やガス機器については、安全基準を満たしていることが不可欠です。
4. 居住に適した状態(Fit for Human Habitation)物件は「人が生活できる状態」でなければなりません。具体的には、深刻なカビや結露、換気不足、排水不良といった問題がなく、衛生的で健康に悪影響を与えない状態を維持する必要があります。
法的に定められている修繕義務に加え、家主は賃貸借契約にてテナントに提供される家具や備品 (Fixtures & Fittings) について修理・修繕の義務を負います。
具体的には、キッチンなどの備え付け電気機器類(食洗器、ディスポーザー、オーブン、電子レンジ、ワインクーラーなど)に加え、ケトル、トースター、食器類、掃除機、アイロン、テレビ等の別途追加提供備品、ボイラー、HIU (Heat Interface Unit)、冷房システム、MVHR (換気扇)、インターネット回線(備え付けの場合)、洗濯乾燥機、ルームオペレーションシステム(空調や室内灯等を操作するタッチパネルやシステム)、ビデオエントリーシステム等の物件備え付け機器・備品、および物件に提供されている家具などが対象となります。
もしテナントの過失や誤使用によって提供備品に損傷・故障・不具合・紛失・汚損などのダメージがあった場合には、テナントは一定の賠償責任を負いますが、新品備品への交換費用全額を請求することは原則として出来ません。また、Fair Wear & Tear (物件や付属備品設備の自然劣化や摩耗・消耗)に対してテナントに請求をすることは禁止されており、あくまで請求は「テナントの過失によるダメージ」に対する修繕と、耐用年数から算出された「消失価値」に対する補償のみが請求対象となります。Benham & Reeves 物件管理部では、法規や判例に即して、適切なプロフェッショナルアドバイスを行っており、公正な視点から請求可能な金額とそうでない金額のアドバイスをいたします。
テナント入居前に、プロフェッショナルクリーニング(プロの清掃業者によるクリーニング)を実施します。入居前は家主がコストを負担し、退去時はテナントは同じ状態で退去することが求められますので、通常はテナントが退去時の清掃費用を負担します。
この際、提供家具や備品が全てプロフェッショナルスタンダードで清掃されていることが必要となり、家具や備品、電気機器内部や排水口や換気扇のフィルターなども清掃対象となります。また、カーペットやカーテン、布製の家具などは、スチームクリーニングを入れることが一般的です。
靴を脱がずにカーペットで生活をしていると、カーペットが傷みやすいだけでなく、蛾や虫などの温床となることもあり、ペストコントロールが必要になる事もありますので注意が必要です。
家主は、サービスチャージと呼ばれる共益費や、グランドレントと呼ばれる地代、空き室期間中の光熱費、住宅ローン等の支払い義務を負います。こうした支払いは遅滞なく支払いが 行われる必要があり、賃貸借契約にも家主の義務として明記されます。
こうした家主支払い義務が遅滞すると、ペナルティが課されたり、最悪の場合には物件差し押さえになる可能性もあるため、注意が必要です。Benham & Reeves では、共益費やグランドレント、光熱費の支払いについて物件管理業務の一部として代行させて頂いており、遅滞なく支払いが行われるようご手配しております。
海外居住者オーナーは家賃収入から税の源泉徴収対象となる場合があります。英国非居住家主は、賃貸収入に対して20%の源泉徴収を受けることがあります。エージェントは家賃収入を家主へ送金する際、20%を税金支払い分として差し引き、税金支払いを代行する義務を負います。
しかしながら、所定の手続きを取り、海外居住家主が英国内での家賃収入を申告し、「Approval Notice」をHMRC (税務署)から取得することで、源泉徴収無く家賃を受け取ることが出来ます。なお、Approval の取得は、家主本人が行う必要があります。年度末に確定申告を行い、納税を行います。源泉徴収されている場合でも、確定申告後に過払い分の返金を得ることも可能です。二重課税防止条約(日英租税条約)により、最終的には日本側で税額控除可能なケースもありますので、随時税理士と相談が必要です。
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